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(株)三栄書房
「ブラストライブ」 2008 Vol.06 (定価 952円 + 税)
誌内「J,マイケル伝説を追え!」にJ,Michaelの特集記事が掲載されました。(P72〜P73)
テキストで読む 川嵜式スケール/ハーモニー練習法

Jマイケルは天使? /Fシングルホルン バルブトロンボーン ひとりの男の人生を救ったポケトラ 啼鵬さんとJマイケル スペシャル/ YOKANさんがオーボエにチャレンジ トランペット - 川嵜淳一さん トロンボーン - はぐれ雲永松さん バリトンサックス - TPOの武田和大さん TPOのメンバーからJマイケルへ 番外編 チェロを弾いてみよう Jマイケルのフレンチホルンと木村さん(東京佼成) ブラスタ「放課後プロジェクト」を応援するぞ 学校応援プロジェクト 学校応援プロジェクト マーチングブラスが熱い。







Jマイケル伝説を追え!


ボクの名前はJ.マイケル。正確にはジョン・マイケル。英国のとある田舎で生まれ育ち、ロンドンでは音楽家としてちょっとは有名だったんだ。もっともその話はもう百年も前のこと。今はボクの名前をつけた管楽器の「精霊」となって、いろんなところに出没してる…

とある楽器店で、すごい音を聴いてしまった

 ボクの名前はJ.マイケル。誰にも見えない「精霊」となって、ボクの楽器が活躍している様子をじっくり観察しているんだ。ボクのセンサーは、ボクの楽器が奏でる周波数に敏感だ。今日もいろいろなところで愛用されている様子がわかる…おっと、これはなんだ?東京のどこかで、すっごい音でボクのトランペットを鳴らしているヒトがいる。どうやら、どこかのスタジオみたいだ。さっそく覗いてみると、ん?なにやら面白い頭の格好をしたヒトがいるぞ。もしかしてオサムライ?まさか。それにしても凄い鳴らしっぷりだなあ!
  「誰だ!」
  扉が開いた。なんだ、ボクのホームページでもおなじみの川嵜淳一さんじゃないですか。サングラスしていなかったから、誰だかわからなかった(苦笑)。
  「あ、こりゃ失礼。いまサングラスかけるからちょっと待ってね」
   ところで川嵜さん、見ればトランペットが何本かおいてありますが、なにをたくらんでいらっしゃるの?
  「いや、たくらむなんてアナタ人聞きの悪いことを(笑)。私の生徒さんで、楽器はじめたばかりのヒトにちょうどいい楽器はどれかなあ、と思って選定していたんですよ」
   なるほど。その方は初心者?
  「そう、縁あって私と出会いましてね、私のトランペットの音を気に入ってくれて、自分もやってみたい、と言ってくださったんです。だからまだはじめたばかりで、初心者も初心者。はっきりいって、まだ続けるかどうかわからないし、呼吸法もまだまだだから、あまり高い楽器を手にしてもその真価を味わう前にへんな癖をつけてしまうのがせいぜいでしょう?だからひとまずマイ楽器をもってもらって、楽器になれてもらおう、と思ったんです」
   まず自分の楽器を手に入れる、というところから楽器生活が始まる、と?
  「そういうこと。やはり励みになりますからね。そのためにはやはり『初心者用の楽器』としての質はとても大事。プロみたいにしっかりした呼吸が出来なくてもコントロールができる楽器じゃないと、まず吹くことが楽しくならないでしょう?その点で私はJ.マイケルの楽器をとても高く評価していて、生徒にもすすめているんです。コンボジャズにあこがれてトランペットをやりたい、というヒトには特にいいですよ!」

 

私がオススメしたいのは…

  この日、川嵜さんが手にしていたのは、どちらも銅の成分が多く配合された「赤ベル」タイプで、リードパイプも「赤」のもの。TR-450とTR-450Rで、「R」というのはチューニングスライドがリヴァースタイプになっているもの。川嵜さんはリヴァースの方がどうも気に入ったようで、かなりしっかり吹き込んでいる。ちょっと感想を聞かせていただこうとお声をかけると、逆に、
「ちょうどよかった。いくつか知りたいことがあるんだ」
  と、積極的に質問が飛び出してきた。ど、どうぞ、ボクでわかることならなんでも答えますよ。
「イエローブラスのTR-250もよかったんだけど、今度450シリーズと、その銀メッキモデルであるTR-500を出したわけは?」
  なるほど。特にマーケティング戦略をやって決めた、というわけじゃなくて、やはり楽器造りに熱意のあるスタッフとしてはまずラインアップの充実を図りたかったんです。「赤ベル」は音がやわらかくて好き、という声も多かったし、銀メッキは音色のクォリティがとても素晴らしいので…。
「確かに、それは私も認めます。TR-450にはリヴァースとノーマルのふたつの設定があるけど、これはどんな理由で?」
  これはですね…実は設計陣、悩んでいるようなのです。両方造ったものの、本当はどちらかに決めたほうがいいのでは、と。リヴァースは、高級モデルで人気が高いから真似したわけではなくて、純粋に音響工学的見地から選んだスタイルなんです。いわゆる「マーケティング」ではなく、地道に作り手自身が「これぞ!」と自信を持ってすすめられるスタイルを悩みながら模索しているボクの仲間のやり方のほうが、楽器造りの道としては信頼がおけますね。
「なるほど、その通りだよね…で、いまのところの結論なんだけど、私がオススメしたいのは実はここにはない」
  え?…まさか、全部だめなんですか?
「いや、その逆(笑)。リヴァースはかなりいいし、銀メッキのモデルも、かなりパワーを入れてもアマチュアなら大丈夫。音程も、どちらも問題ないです」
  ではなんでオススメしたくない、なんて言うんですか(怒)。
「そう怒りなさんな(苦笑)。意外とイギリス人の割にせっかちなんだね」
  こちとら江戸っ子なんでェ…すみません、ウソです。で、その理由は?
「ここまで質がいいと、欲が出てくる。リヴァースの銀メッキタイプはまだ設定がないらしいけれど、ぜひそういうタイプのマイケルを吹いてみたい、そう思ったんです」
  なるほど!
「だってTR-450も2タイプあるわけでしょう?ならばTR-500だって2タイプあったって不思議じゃない」
  逆に、リヴァースだけにしたら、という迷いも設計陣にはあるようなのですが…
「それは、選択肢のひとつとして残しておいてもらったほうがいいなあ。私個人としては圧倒的にリヴァースがオススメですよ。でもこれは個人の好みがあるから。設定がなくなれば、選びようがなくなるじゃないですか。やはり楽器って値段だけで決めるのじゃなくて、もうひとりの自分を探すことじゃないか、と思うんです。私だって、本当に心から自分を表現できる楽器に出会えているかといえば、まだまだ模索中なんです。アマチュアにはだから、選択肢が多いほうが絶対にいい、と思う」
  ううむ…ではしっかり設計陣にご意見を伝えます。次号で答えがだせればいいんだけど…。


川嵜流ウォームアップ方法紹介

  ところで、スタジオのホワイトボードに書いてある楽譜は、一体?
「ああ、これですか?ドファミラソシレド、という音の流れ。これはね、私が生徒におすすめしている基礎練習なんです。まず自分の楽器は、必ずピッチの癖がある。これをすべてのキー(調)できちんと吹くと、自分の楽器のピッチバランスがいいか悪いかが実感できるんです」
  ただ漠然と吹くだけじゃだめなんですね。
「これは音程バランスをしっかりとるために考えたので、この動きの中にドレミファがすべて含まれているんです。単にドレミファ…と吹くと、もう慣れきっているからよほどピッチがおかしくなければ特になにも感じないでしょう?」
  …あ、なるほど。
「最初のド→ファは、4度みたいに感じられるかもしれないけれど、実際にはドミナント7thで、やや低めにとる。この音はミ(3度)にいきたがる傾向があります。そのままでは不安定だから、その完全4度上のラに移行すると、今度はドミナントのソにいきたくなる。そうなると結局はトニックのドにいきたくなるところをちょっと小細工して、途中にしれっとシとレをいれる」
  …いま、ちょっとオヤジギャグいれました?
「失礼。ま、簡単に言うとそういう音の流れを感じてもらえばいいな、と思って書いたパターンなんですよ」
  …オヤジギャグはわかったけど、肝心の「ドミナント」とか「完全なんとか」とか、よくわからない…
「君って音楽の天才じゃなかったの?」
  精霊になると、いろんなヒトの気持ちがわかるんです。今は音楽教室でみんなハイハイハイって手を上げているのに、ひとりだけわからなくてとりのこされた子供の気持ち…。
「そうか、それじゃ実際に楽器を吹きながら勉強してみようか」
  本当ですか?ど、どこで、いつやります?
「そうだねえ…それは君ンところのホームページで紹介したらどうだろう?」
(続く)