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(株)三栄書房
「ブラストライブ」 2008 Vol.08 (定価 952円 + 税)
誌内「J,マイケル伝説を追え!」にJ,Michaelの特集記事が掲載されました。(P80〜P81)
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Jマイケルは天使? /Fシングルホルン バルブトロンボーン ひとりの男の人生を救ったポケトラ 啼鵬さんとJマイケル スペシャル/ YOKANさんがオーボエにチャレンジ トランペット - 川嵜淳一さん トロンボーン - はぐれ雲永松さん バリトンサックス - TPOの武田和大さん TPOのメンバーからJマイケルへ 番外編 チェロを弾いてみよう Jマイケルのフレンチホルンと木村さん(東京佼成) ブラスタ「放課後プロジェクト」を応援するぞ 学校応援プロジェクト 学校応援プロジェクト マーチングブラスが熱い。







Jマイケル伝説を追え!


ボクの名前はジョン・マイケル。英国生まれの音楽の精霊で、現在はボクの名前を冠した楽器の「応援団」として、世界各地でボクの楽器を応援してくれる人を訪ねている。精霊だからどこでも行けるんだよ

ホームページ、イェーイ!
新型バリサク、イェーイ!

ドデカいけれど軽やかに、舞ってみましょか低音木管!


 なんだかちょっとページのデザイン変わったでしょ?今度からこんなデザインにします。
  実はボク、自分のホームページを造っちゃったんです。「精霊のくせに」なんて言われるかもしれないけど、まあ細かいことは言わないイワナイ。いまどき小学生だって持ってるんだから、猫だって精霊にだってウエブサイトがあってもいいじゃない?
 それにホラ、よく見てみてみて。テッペンのキャッチコピーがいいでしょう?「音楽系独立自営業者の広場」その気にさせるコピーですよね。これ、前号で御紹介した「はぐれ雲永松」さんのバンド「 T.P.O. 」のバリトン Sax 奏者、武田和大さんが造ったシステムなんです。誰でも簡単に自分のページを持てるからトライしてみてね。「バンドマン川柳」なんてのもあって笑えますヨ。
 そもそもなぜ武田さんと知り合ったのかといえば、やはり永松さんつながり。彼が T.P.O. のライブで自分のスペ シャルモデル(もちろんブランドは J マイケル、つまりボクの名前)を自慢していたら、武田さんが「俺も欲しい」と言ったとか言わなかったとか…、
「言ってませんよ(笑)」
 あ、これはこれは武田さん、いらっしゃいましたか。なんと唐突な。「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャアン(笑)。トートツとは失礼な。ま、ともかく、ただ『欲しい』と言ったわけじゃないのよ。これをベースにカスタマイズしたくなったのが真相。ハグレグモに紹介されて現行 Jマイケルのバリトンを吹いてみたら『意外に使えるじゃん』だったのがきっかけ」
 ありがとう!実はボクのブランドって「お手頃価格」だけど「安かろう悪かろう」なんて言われて「吹いてもくれない」ケースが多いんです。
「そうなんだよねぇ…人それぞれだから無理にとは言えないけどやっぱり吹いてみなきゃわからないよね、楽器って。ともかく有名ブランドの半額以下でこのクォリティが手に入るんだから素晴らしい。特にバリトンは佳いね。楽器としての基本はしっかりしてるので色々と実験をしてみたいと思いましたよ」
 具体的には?
「これまで J マイケルは様々な工房といろんな試みをしてきたようで、 たまたま楽器屋で見つけたちょっと前のマイケルを吹くと、今のほうが断然良くなってます。それだけ日本の輸入元が頑張ったんですね。より精度の高い注文を出しても『答え』を出せる力がついてきたってことでしょ?だからやってみる気になったのだけど、、、まずバリトンで注意すべきは、ただ低音がブリバリッと鳴ってイェーイ!…というだけではダメだ、ってことです」
 ダメなんですか?
「ダメですよん。低い音の中にも、例えばシンバルの『シャーン!』のような帯域の高次倍音が豊かに含まれるべきなのですが、それが貧弱な楽器はペケです。そういう楽器は、ぱっと聞きには元気よく感じても、響きに艶がなく遠達性に欠けます。佳い楽器に特徴的な『指にブルブルと伝わる感触』にも乏しい。小さな音量で吹いたときにボソボソと音が潰れちゃう。おまけに大きな音を出そうとすると圧迫感 100% のウルサイ音になっちゃう。 実(み)というか芯となる音の周りに風音のようなノイズを乗せやすいのが僕にとっての佳い楽器。可聴帯域を上にも下にも超えた領域にこ そ『耳に聞こえない得体の知れない迫力』が含まれてるようなんです。ただし最近の新興メーカーにありがちな『誰がどんな風に吹いてもザリザリとサワリの成分が乗っちゃう』という作為的なノイズは願い下げですが。
 ちなみに最近『ダーク』という言葉を楽器の褒め言葉としてよく聞きますが、大抵は間違って使ってますよね。英語を喋る人にとっては『倍音を豊かに含んで輝きに満ちた音色』を意味するようですね。そうでないと意味不明になる原文に触れればすぐ判ることですけどね。 でですね、倍音が貧弱な楽器は高い音を響かせにくいんです。第2オクターブ左手以上が。 もともとバリトンが抱えてる問題ですが、他のサックスと比べて偶数次倍音が鳴りにくいんです。サックス本来に理想的な円錐管のカタチ、つまりマッピからベルまでの『開き方』が、他のよりも『円柱』に近いんです。そうしないとバリトンのベルはバカデカくなるはずです」
 あ、そうっすね。
「実際に古〜いバリトンでベル管の太〜いのがありますよね。それって開発者サックス氏の理想を正直に具現化したわけですね。ソプラノからバリトンまで同様の倍音の含み方=同じ音色に揃えやすい、という。 昔のはケースもブットくて膝にゴツゴツ当たってとても歩きにくい。それが理由というわけではないでしょうが、現在では随分とスマート。それがバリトンに独特の音色感・個性に結びついたのでしょうが、結果として倍音の含まれ方が楽器によってヴァラエティに富むことにもなった。 で、『シャーン!』の成分を豊かに含む楽器のほうが高音域を鳴らしやすいし音程のコントロールもしやすい。つまり偶数次倍音の欠損によるガッカリを補ってくれる」
 で、現行の J マイケルは…
「それが意外なことにイイんです!もちろん価格から考えれば、ですけど。とは言え、おおもとの管体設計はイェーイ!なわけ。 バリトン専業者と持ち替えの人とではイェーイ!と感じるバリトンの傾向が違いますね。 J マイケルのバリトンは後者。つまり普段は小さいのを吹いてる人が使ってもスンナリとイェーイ!と思えるタイプなんです。もちろん専業者にとっては LowBb のように軽やかに吹けるフルサイズと言えますね。とにかく息を音に変える効率が非常に高い!ラクチンすなわち音楽に集中できるってこと!ん〜イェーイ!
 吹き応えが軽やかとはいえ重量は普通にあるので響きはドシッとしてますよ。あ、座奏用の足もついてるので年少者でも安心」
 イェーイ、が口癖なんですね。
「ちょいと疲れてきたからかもイェーイ…ふぅ。負けるもんかイェーイ! だからですね、そいつに俺流カスタマイズを施すとお手頃価格でけっこう楽しい一本になるんじゃないかな、と。 先ずはハイ F ♯キーを外すべくお願いしました。昔は設置が難しかったから『ついてます!』が宣伝文句になったけど、実際に演奏で使うかどうかというと、めったに触らない。穴の位置が強度的に微妙だし、ネックに近い=音質に影響が大きい箇所で響きを支える壁に大穴を開けるわけだし、無いほうがいいに決まってるんです。穴があるからといって Hi F# がスムーズに出るわけじゃない。逆に、出せる人なら Hi F# キーが無くても出せます。おまけに、いいブラスアレンジャーならばその音を頻繁には書かないはず(近いうちに四重奏のアレンジをポツポツと世に出す予定ですが Hi F# は絶対に書きませんぜ)。というわけでメリットデメリットを天秤にかけると『なし』なんです。 今や『無しというコダワリ』こそがアイデンティティになるとも思うんです」
 なるほど。「実は、ついでに右手の F# トリルキーも外してもらうつもり。そのうち C トリルキーも…」
 うっひゃぁ。
「今、名古屋の輸入元で本当に一所懸命イヂってくれてるはず。この取材には間に合わなかったけど、この本が出る頃には一号機登場!かも。興味のある方は是非 T.P.O. のライヴにお越し下さいませ。合い言葉は、イェーイ!」