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Jマイケル伝説 Vol.11

Jマイケルの伝説を追え
(株)三栄書房
「ブラストライブ」 2009 Vol.11 (定価 952円+税)
誌内「Jマイケル伝説を追え!」にJ.Michaelの特集記事が掲載されました。 (P82~P83)
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ブラストライブ


Jマイケルは天使? /Fシングルホルン バルブトロンボーン ひとりの男の人生を救ったポケトラ 啼鵬さんとJマイケル スペシャル/ YOKANさんがオーボエにチャレンジ トランペット - 川嵜淳一さん トロンボーン - はぐれ雲永松さん バリトンサックス - TPOの武田和大さん TPOのメンバーからJマイケルへ 番外編 チェロを弾いてみよう Jマイケルのフレンチホルンと木村さん(東京佼成) ブラスタ「放課後プロジェクト」を応援するぞ 学校応援プロジェクト 学校応援プロジェクト マーチングブラスが熱い。

Jマイケルの伝説を追え その11_1
Jマイケルの伝説を追え その11_2

Jマイケル伝説を追え!

  • ボクの名前はジョン・マイケル。英国生まれの音楽の精霊だ。でもボクの名前を冠した楽器は、中国生まれ。ちょっと前までは「安かろう、悪かろう」の代名詞みたいだった「中国製」ブランドだけど、最近ではファンも増えてきた。そんな中で、早くからこういった中国の管楽器に注目してきたホルン吹きを紹介しよう

楽器選びに「先入観」は禁物です
すべては「音」が決め手

  • 「小学6年のときに、たまたま耳にしたオーケストラのホルンの音色に純粋に感動したのが、この道に入るきっかけだったと思います」
  • そう語るのは現在、東京佼成ウインドオーケストラのホルン奏者として活躍している木村淳(あつし)さん。「たまたま耳にした」オケ、というのが、あの朝比奈隆さん率いる大阪フィルハーモニー交響楽団、キムラ少年を感動させたホルン奏者は伝説的な名手、ヨーゼフ・ドヴォルザーク氏だったというからすごい。その音色を追いかけてプロになった木村さんは、早くから中国を含む東アジア製管楽器の可能性に注目してきたひとり。メイン楽器としてもそういった楽器(自ら監修しているのである!)を愛用している。
  • 「かつては本当にひどい楽器もありました(苦笑)。ですが今では、民間で自由に楽器が造れるような時代になってみんなが鎬(しのぎ)を削るようになったんです。精度の点では以前より飛躍的に向上していますから、やがてそういった問題もなくなるとは思います。しかし実は私が注目しているのは、その『音色』なんですね」
  • 管の端の処理とか、仕上げの精度という工業的緻密さに問題があっても、木村さんがそういった楽器たちに心惹かれた理由は、管体そのものが持つ響きの良さ。
  • おそらく素材の純度の問題だとは思うのですが、なんともいえない豊かな響きがするんです
  • 最初に中国で出会った某ブランドの楽器がどうしても気になって、帰国してから取り寄せてみた。そして吹いた。やはりその音色のよさを再確認した木村さんは、同時に「造り」の問題にも気づいた。しかし、そういった機械的な精度というのは問題点を数値化しやすい。問題点を指摘して何回も手直ししていけばそれらは解消できる。
  • 「そうなんです。でも、最初から音色が悪かったら、それ以外のポイントがいくら高くても、もう楽器としては成立しがたい…」
  • 厳しいアーティストは、多少の物理的ガタつきは我慢できても、薄っぺらな音色にはがまんならないのだ。だから今、木村さんが愛用している楽器はどれも音色の点では保証付。佼成のお仲間も認めているのだから、本物だ。
  • 「かなりきびしく注文をつけて、それに対して彼ら(中国のメーカー)も誠実に応えてくれた成果が出てきたのだ、と思います」
  • そんな木村さんがボクの名前を冠した楽器に出会ったのは、数年前のこと。そして本格的に意見を交わすようになったのは、およそ一年半ほど前から。
  • 「でも、そんなに難しい注文ではなかったはずです(笑)」
  • 木村さんの与えた課題を見事に解決した楽器が、楽器の街「新大久保」にある黒澤楽器に届いた、という報せを受けて、さっそく木村さんはチェックに赴いた。ボクもついていったのは言うまでもない。

基本設計の「良さ」を、さまざまなポイントで立証

  • 管楽器フロアが今年1月から3階に移動し、さらに充実したラインアップになった黒澤楽器新大久保店。管楽器担当の羽生さんとともに、ボクの名前を冠した新しいフルダブルのフレンチホルンを木村さんが試してみた。
  • 「お。やはりいい音してますよ!」
  • まず吹いてみての第一声がこれ。ボク的にはまず、ホッとしました(笑)。マウスピースは、独特の形をいたモデル(木村自身が設計したアイルリッヒ製のもの)を使用している。
  • 「マウスピースまで付属のもので吹いてしまうと、まずそれに慣れるまでに時間がかかるし、第一、楽器とマウスピース、どっちをチェックしているのかわからなくなってしまうからね…」
  • そして、機能のチェック。たくさんのチェック項目がある…らしいが、興味深かったのは、近代的なフルダブル方式のフレンチホルンに共通する不思議な「弱点」。たとえば実音F♯が出しやすいかどうか、ということ。
  • 「この楽器は、なかなかいいですよ。(吹いてみて)ね、おかしな、こもったような響きはしないでしょう?これだけでも安心する人は多いと思いますよ」
  • この音が当たらない、という「鳴りムラ」に悩むホルン吹きは、プロアマ含めてかなり多い。
  • 「これは疫病神みたいなもので、吹き込んでツボを造ろうとしても無理。あとからではもう、どうしようもないんです。これは管体の基本設計次第なんです。この楽器には『鳴りムラ』はない。それは、きちんと設計され、きちんと組み上げられている、という証拠でもあるんですね」
  • F管とB♭管の切り替えレバーの形状も、木村さんが指摘したとおりに直っている、とニッコリ。本誌編集部特性の「フレンチホーン練習帖」もボクの楽器で試していただいた。この本の最初の数十ページは、ヴァルヴを使わない、いわゆる「ナチュラルホルン」としてのフレンチホルンの練習がぎっちりつまっている。
  • 「これは難しいですね。でも、とてもいい練習になる」
  • これも、基本設計のよくない楽器だとバランスよく吹けない。木村さんはボクの楽器で、ヴァルヴを一切使わず、見事に吹いてくれた。
  • 「ね、きちんと出来ている、という証拠なんです。中国製だから悪い、欧米の有名ブランドだから良い、と、無条件に信じるのは危険です」
  • 先入観は禁物だ、と何回も力説する木村さん。確かに管楽器はいかに完璧な設計だとしても、最後は「吹き手自身の肉体と感性」が加わって初めて「美しい音色」を発する楽器となるものだから、自分で吹いてみて確認するのが一番だ。
  • 「この店にはまだ正式には入ってきていない(3月中旬現在)けれど、もっと潤沢に出回るようになったら話題になると思いますよ」

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