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Jマイケル伝説 Vol.5

Jマイケルの伝説を追え
(株)三栄書房
「ブラストライブ」 2007 Vol.05 (定価 952円+税)
誌内「Jマイケル伝説を追え!」にJ.Michaelの特集記事が掲載されました。 (P53~P56)
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ブラストライブ


Jマイケルは天使? /Fシングルホルン バルブトロンボーン ひとりの男の人生を救ったポケトラ 啼鵬さんとJマイケル スペシャル/ YOKANさんがオーボエにチャレンジ トランペット - 川嵜淳一さん トロンボーン - はぐれ雲永松さん バリトンサックス - TPOの武田和大さん TPOのメンバーからJマイケルへ 番外編 チェロを弾いてみよう Jマイケルのフレンチホルンと木村さん(東京佼成) ブラスタ「放課後プロジェクト」を応援するぞ 学校応援プロジェクト 学校応援プロジェクト マーチングブラスが熱い。

Jマイケルの伝説を追え その5_1
Jマイケルの伝説を追え その5_2
Jマイケルの伝説を追え その5_3
Jマイケルの伝説を追え その5_4

Jマイケル伝説スペシャル

  • クラシックはもちろん、演歌やポップスなど、あらゆる仕事で活躍するオーボエ。トランペットなどの金管楽器はもちろん、サックスやフルートまでこなす「ひとりブラバン」も可能な天才YOKAN(本名:水江洋一郎)氏だが、なぜかこれまでオーボエは吹いたことがなかった、という。「オーボエができたら、もっと仕事の幅が広がるんだけどなあ…」そんなYOKANの想いに、ジョン・マイケル少年がいきな計らいを!

なんと15万で手に入るオーボエを作っちゃった

  • ボクの名前はJマイケル。正確にはジョン・マイケルといって、イギリスのとある地方じゃちょっとは知られた音楽の天才だったんだ。今は音楽の精霊となって、ボクの名前をブランドにしてくれている楽器を愛用してくれているみなさんの楽器生活をこっそり覗いていて楽しんでいるところ。でも、今回はとってもびっくりすることばかりなんだ。
  • まず、ボクの名前「Jマイケル」をつけた楽器を造ってくれるマックコーポレーションのみなさんが、ものすごい情熱をかけてなんとオーボエを造っちゃったってこと。そしてそれが日本円で20万を切る価格で発売された、ということ。そしてそれを、スタジオやステージで大活躍しているマルチプレイヤーで、サックスでもトランペットでもなんでもこい!というYOKANさんに試してもらおう、ということで、はるばる名古屋から東京・原宿までもってきてくれたんだ。左の写真、面白いでしょう?左は今回オーボエの指導をしてくださる可知日出男さん、そして右がそのYOKANさん。ホントはカラーで見せられたらすごくすてきなんだけど、このYOKANさんの部屋は緑やオレンジ、黄色などをうまくあしらってあって、さらに隣にはデジタル録音設備が整ったYOKANスタジオまで併設され、深夜でも録音が可能。急なコマーシャルの仕事は、ひとりで全部の楽器を重ねて録音できてすぐ納品できちゃう、というからすごいよねー。
  • でも、こんなすごいYOKANさんでも、まだオーボエまでは「守備範囲」になかったんだって。最近劇伴などでも予算的にオーケストラ規模の大編成なレコーディングは限られていて、おおむねシンセサイザーやサンプラーの音源でまかなっている現状のなか、「吹きもの関係」を一手に引き受けているYOKANさん。シンセはナマにはかなわない。そんなYOKANさんも、オーボエには未だかつてチャレンジしたことがなかったらしい。それになによりも自分の「音の絵の具箱」のなかにダブルリードの音があるといいなあ、と思って、一度遊んでみたかったんだって。
  • ところが、オーボエというのはこれがまた、高いんだな。遊ぶには手頃なものがなかった。だからボクの楽器が呼ばれた、というわけなんだ。

まずはリードのくわえかたから

  • この日、オーボエの手ほどきをしてくださるのは、可知日出男さん。国立音楽大学を卒業して「芸能山城組」で研鑽を積み、現在はヴォイストレーナーや音楽教室の先生をするかたわら、「アンサンブル★グリーン」というバンドでさまざまな木管楽器7種類を手に活躍するアーティストだ。
  • 「ダブルリードの楽器は、本当はリード造りとかが一番面倒なんですけど、この楽器はもう完成したリードが入っているからいいですね。それにこのリード、出来がいいですよ。まず、オーボエを吹こう、と思ったらコップに水を入れることにしましょう。呑むためじゃありません(笑)。それにリードをつけて(写真参照)おきましょう」
  • 充分湿らせたら、まずリードを下唇の上に置く(左写真上)。そしてリードを乗せたまま下唇をゆっくり巻き込んでいって(左写真中)上唇を軽く閉じる(左写真下)。これでOK。
  • 「ぎゅっと閉じる必要はありません。二枚のリードの間を空気が抜けていくときに振動するわけですから、理屈としてはトランペットと同じですね」(可知)
  • なるほど。巻き込む、というあたりがちょっと違うけど(金管はまきこまないのが普通)、あわせた二枚が振動する、という点では同じだ。道理でYOKANさん、閉じた状態で息を吹き込んだら…もうPiiiiii…と鳴っている。
  • 「それでいいんです!いい勘してますね!!」
  • と可知先生。さすが百戦錬磨のマルチプレイヤーだ。

組み立ててみよう

  • 「次は組み立てです。オーボエはデリケートな部品がたくさんついているから、気をつけなければなりません。あ、これはYOKANさんにいっているわけじゃなくて(もちろんサックスやフルートなどの扱いでもう慣れていらっしゃるでしょうからね)念のため、ということです。以下はすべてそんな感じですすめますね(笑)。さて、まずはベルと下管(げかん)をこのように(写真上)持って、ベルをおなかにあてて下管をぐっと押し込みます」
  • か、硬いなあ…とYOKANさん。差し込みにくそうだ。
  • 「まだ新品だから硬いですね。そういうときにはグリスを塗りましょう。私は『メンタム・リップ』を愛用してますけど(笑)」
  • もう一回トライ。おなかにベルをあててグーッと差し込むと、
  • 「切腹しているみたいですね(笑)」
  • YOKANさん。その通りだ。
  • 「キーをぎゅっと握りしめないように気をつけましょう」
  • そして、次に上管を差し込む。
  • 「この場合、写真に示している2本のキーがぶつからないように気をつけましょう。ここはお互いに連結するところなので、へたにぶつかって曲がってしまうとキーがうまく動かなくなるんです」
  • 組み上がったら、きちんとその部分が連動して動くかどうかを確かめて、いよいよ湿らせておいたリードを差し込む。
  • 「リードを湿らせるためにここまでのうちにくわえておく人もいますが、初心者のうちは組み立てるときに口を食いしばったりしてしまいがちなので、やはり容器に入れて湿らせる癖をつけたほうがいいでしょうね」
  • 可知先生の指導に、うなづくYOKANさん。
  • 「リードを差し込むときが意外と苦労するんです。細い上に、リードにはてがかりとなるでっぱりがなく、使用しているときにふらついてはまずいからかなり差し込み口もぎりぎりの大きさ、というか、小ささにできている。そんなときはハンカチ王子になりましょう」
  • ハンカチ王子??YOKANさんもけげんな顔。
  • 「リードのコルク部分にタオルかハンカチをおいて、カバーしながら作業をするんです。そうすれば指先は痛くない」

指使いを覚える

  • リードのくわえ方も覚えた。ようやく組み上がった。さあ、次は指使いだ。
  • 「まず注意して欲しいことは、オーボエは、サックスやフルートでは当たり前になっているベーム式の指使いではない、ということなんです。リコーダーともちょっと違うところがある。木管楽器ですから、全部閉じた状態から始めて、下から順に指を開いていけば音階を上がっていける…ように思うところですが、途中でひっかかってしまう(笑)。こればかりは覚えるしかないのですが、幸いなことにマックさんでは自社のホームページに指使い表を掲示してくださっているそうなので、それを参考にしてください」
  • まあ、今日のところはそこまではいかないでしょうけどね…と可知先生がいっているそばから、ドレミ…と音がする。なんとYOKANさん、見よう見まねでそこそこ吹けちゃったのだ!
  • 「やっぱりさすがスタジオで鍛えられただけあって、勘がいいですね!」
  • と可知先生もびっくり。でも、音程がやはり不安定なところがある。
  • 「全部閉じて、下から開いていけばとりあえずドレミくらいまではことはいいのですが、上の方からリコーダーとは変わってくるんです、そればかりはご自分で覚えていただくしかないですね。でもこれだけ音が出ているし勘もいいから、すぐ覚えられますよ」
  • 注意は、より楽に指を動かすためのポジションの話になった。
  • 「ポイントは両方の親指の置き方です。置き方、というか支え方ですね。オーボエにはサックスのようなサムレストはありませんが、右手にはサムフックがあります。オーボエには不合理な指使いもあるので、指のしなやかさや器用さが求められます。こんなふうに(p55下写真参照)指のストレッチをするといいでしょうね。あと注意すべきなのは、穴が開いたキー。ここをしっかり押さえないといけない」
  • なるほど、こうしてみるとサックスがいかに近代的で、よく考えられた構造なのかがわかるなあ…

自然とヒトにやさしい楽器

  • YOKANさんが、ひとまずの手ほどきを終えてから、マックコーポレーションでオーボエの開発に当たっていた串田氏が、今日のオーボエ(OB-1500とOB-2000)それぞれの説明をしてくれた。ここでYOKANさんの目が輝いた。
  • 「このオーボエ(OB-1500)、ほんっとに気に入りました!今日は生まれて始めて吹いたのに音が楽に出せたし、なによりも素材が天然の木の粉末を固めた合成木だ、というところがいいですね。グラナディラはもう伐採されすぎて枯渇の危機にあるんでしょう?それに代わる素材を見つけることは、もしかするとこれからもっと大事な仕事でしょうね。それも、木の代用だからこのくらいのクオリティでいいや・・・というのではなく、木に負けない、というかさらに独自の個性を出してその音色でそれぞれを選べるというぐらい頑張って開発をしてほしいですね。だってボクはこのOB-1500の方が個人的には好きなくらいですから・・・。安い楽器だからと思っていたら、けっこういい音がする。そこにすごく関心しましたね!」
  • 可知先生も、その値段と品質のバランスの良さにびっくり。
  • 「オーボエって確かに高嶺の花なんだけど、これがあるだけでちょっと世界が変わるね。いろんなメロディを吹いてみたくなる。アクセサリーも一通りそろっているのが初心者にはとてもうれしいですね。楽器を買ったはいいけれど、リードがない、とか、内部の水分をふき取る羽根がない、ということで余計な出費をしてしまうけれど、あらかじめオールインワンですから、心配無用」
  • 次にお会いするときには、もっとうまくなっていますよ、と不敵な笑いを見せるYOKANさん。頼もしい限りだ。
  • 「なんだか初心者に戻ったみたい・・・いや、文字通り初心者だったんですけどね(笑)新鮮な体験でした。ただ単に安い!ということじゃなくて、環境や自然に配慮したものを造っているという姿勢に感激しました」
  • そういって、OB-1500を夢中で吹くYOKANさん。その音色から新しい作品の芽が出るのも、近いかも?

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